物語よ


 物語よ、なぜお前はそうまでわたしを守るのか。
 何度となく踏みつけにされたのに。
 これがわたしの罪であり、ヒトにさせようという計らいなのか。
 お前の庇護が、わたしを苦しめる。
 守られるのは、わたしが弱いからだ。
 庇護とは返しきれない借財であり、罪である。これにより、わたしはヒトになるが、それが悲しくて悲しくてならないのだ。