いつも書いた後で書くべきだったことを思い出す。
書くべきで書かれなかった何かは、ただ書かれ損なうためにすり抜ける。絶好の機会という匂いだけを、可能性の名を借りた現実として残しながら。
これこそが出会いの本質だが、writng is rewritingというように、何度でも何度もわたしたちは出会い損ねようとする。
誰が成功したのか。かつてわたしだったが、出会い損ねと共に消え去った何者かが。
書かれ損なったまま閉じていくページの隙間に向かって、針飛びのように永遠のフェイドアウトを繰り返す主体が。