問いのないところに答えを出す


 答えのないところに問いを立ててしまう者がいる一方、問いのないところに答えを示す者がいる。
 時にこれらの症候が響き合い、「ゴールイン」が実現されるが、それは両者が相補的関係にあるからではない。
 完全ではない二種類の者がいるわけではない。
 「完全ではない二種類の者」を見ることができると想定される一者がいる。
 もちろん、そのような一者がそれ自体で存在しているわけではないが、あらゆる種類の「不完全さ」があらゆる種類の「もう一方」を遡行的に想定させ、一者を必然に見せかける。