眠りたいのに、それを別の欲求とすり替えているのではない。
眠りを巡る欲望は、眠りたくない欲望だ。
しかしこれは、単に欲求を宙吊りにし余白へと欲望をフックしているのではない。
それは、食べないこととは異なる。食べたり食べなかったりするのは、眠らないため、あるいは眠りたくない欲望を保存し抑圧するためだ。
眠らないために貪る。
セックスしないために貪る。
これはホメオスタシスの抵抗だが、人工衛星も必ず大気圏に再突入する。
しかし、この関係を理解しようとするなら、抵抗が敗れる「現実」という想像的なものにとらわれるのではなく、むしろそれこそが眠らないための夢であることを疑ってかかる必要がある。
「実は、絶対に眠らない方法というのがある。夢で閃いたのだが、どうしても思い出せない」。